仕事をしていた私の母がそうであったように、これまでは「食事は母親がつくるべき」という、令和にそぐわない奇妙なプライドのため、どんなに忙しくても食事は頑張って作っていました。

しかし、タスクがどんどん増える中、「頑張る」ことが本当に自分や家族のためなのか？と、考えるようになり、この度、食事は思い切って外注にしてみました。いわゆる家事代行をはじめて利用したのです。その理由として、仕事と家事に加え、娘が小学一年生になるこの時期のto doの増加、睡眠時間を削って料理をする時間、献立を考えるストレスなどが一気に押し寄せ、心に余裕がなくなった私はそのイライラを家族にぶつけては自己嫌悪に陥っていたからです。

そんな折、同じ保育園のママ友に相談すると、家事は代行サービスを使っていると聞き、「家族と自分のために無理はしない。限られた時間の中、出来ないことは有償のサービスを使うことで自分を保っている」と聞いて、なぜかホッとした自分がいました。

家事をしない（できない）母は「悪」ではないという事と、気軽に民間サービスに頼って良いという安堵感で気持ちが楽になりました。今では、栄養バランスを考えた料理を作って頂き、仕事で遅くなった夜も、急いでスーパーに駆け込むことはなくなりました。気持ちの余裕ができ、家族の時間がゆとりあるものになったことが、本来私が求めていたことで、「思い込みの壁」を取っ払うと、こんなにも違う価値観が生まれるものなのかと思い知った出来事でした。

ミリ