コト|2023/08/28
♪夏が来ると、思い出す~♪毎年、この季節になると、雪国のおいしいものを思い出す。
それがこの写真、「からむし麺」。
そばではない、うどん系の麺類だ。へ?からむしって何?と思われる方も多いだろう。
私も20年前までは、知らなかった。また、最初に聞いたときは虫の名前か?と思い、ちょっとひいてしまったけれど、虫ではなく、由緒正しい植物だ。これが、全国でも雪国として知られる新潟県の十日町で栽培されている。
この写真が、からむしが育つ畑の様子。6月半ばぐらいから、刈り取りをされるというというから、そろそろだ。
この「からむし」。一説によると、縄文時代に中国大陸から、朝鮮半島を経て、日本に伝わったとされている植物で(苧麻(チョマ)という別名もあり)麻織物の原材料となる植物である。
もともと着物の生産地として知られる十日町に、「からむし」はすでに奈良時代に伝わり、以後、さかんに育成されていたとのこと。かの直江兼次公が推奨していた産業でもあったそうだ。
しかし、この植物を糸にして、織物にするには職人の高度な技術が求められ。明治以後、着物づくりも機械化され、手軽な化学繊維が好まれてくると、この「からむし」の存在感は薄らいだ。しかし、もともと十日町で着物の販売を生業をしていた方が、この「からむしの存在」に注目し、もっと広めたいとの熱き想いから四半世紀。植物の栽培・育成からこの素材を生かした製品化、文化教育活動・・へとからむしの普及に人生を賭けることになった。
私が初めて出会ったのは20年ほど前のことになるが、からむしの子の葉っぱをビンに入れて持参され、
「これを、有名にしたいんです~」と熱く語っておられたことを思い出す。
麻素材であるため、繊維商品の展開はもちろんであるが、食品としてもイケる!と発想。聞いてみると、
大変栄養豊富な野草で、 ほうれん草よりもカルシウムが多く、レタスよりも豊富なビタミンB1、カリウムやビタミンB2、βカロテンなども含んでいるとのことで誕生。発売以来、じわじわとファンを増やし、安定したロングセラーになっているのがこの「からむし麺」。見た目は蕎麦のようでもあるが、さわやかなグリーンカラーは食欲をそそり、のどごしもよく、これからの季節に常備しておきたい逸品。すでに発売15年を経て、年間24000把を生産、小売や外食でも活用が広がっている。
他にも夏におすすめの繊維小物もいろいろあるが、個人的には紫のからむしハンカチが気に入っている。
これらのからむし製品は、「日本遺産 究極の雪国とおかまち スノウリッチ・ストーリーズ」
として認定され、地元を代表する地場産品として、全国へ世界へと発信中である。
この「からむし」は地場産業として発展するだけでなく、地元の小学校で見学から体験まで含めた総合学習授業にも取り入れられ10年も続いている。
また十日町は、大地の文化祭で知られるアートの町。からむしに興味をもった学生が集い、一緒に作品づくりをするのも、恒例になってきている。
「からむし伝道師」として人生をこの道に捧げる村山好明さんは、
この25年の普及の結果、からむしの良さが多くの方々に認知され、特に多くのママさんグループが積極的に普及活動に参加されていることに喜びを感じているとのこと。
そんなママたちが仕掛けたYouTube越後からむしチャンネルも継続発信されている。
インバウンドも戻ってきた現在。ぜひ、海外の人たちに日本の伝統文化である「からむし」の良さをぜひ知っていただき、世界の「KARAMUSHI」に育てたいと、今年で25年の月日を重ね、未来に世界に向かう「からむし伝道師」に敬意を表し、ロマンに満ちた雪国生まれの夏を楽しみたい。
からむしのことはこちらをぜひ!
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