コロナ禍で見出した自分との対話、そして約束

シゴト|2021/03/12

エリコ

やりたいことをただ、やる。

 

 

エリコ:去年はニューヨークに行く前にカナダで語学留学して…。って言ってたでしょ。そういうのは今後どうするの?

 

栞:それもやりたいんですけれど、決めるのをやめたというか。

 

エリコ:というと?

 

栞:次こうしよう、というのを決めすぎるのをやめようと思ったんです。わたしは予定が変わってもそれほどショックを受けるタイプじゃないんですけれど、その時その時おもしろいことに動けるように身を軽くしておこう、みたいなのがいまはあるんです。

 

エリコ:おもしろいものが来た時には、絶対掴めるようにしておこうって感じだね。

 

栞:それがこの半年のフリーランス生活で得た感覚でもあるし、「おもしろい」と思うことのできる状態の自分でいたいと思っているんです。

「おもしろい」ものが来た時は全力で取り組めるようにしたいから、変な約束したり、何か決めすぎてしまうことがないようにしようと思っています。

 

エリコ:いまとなっては語学研修さえ決めすぎてた?

 

栞:いつまでに〇〇を手に入れたい、みたいなのはすごくあったんです。言語もそう。話せる言葉が増えたらもっといろんな人と仕事できるんじゃないか、とか。

でも “英語ができる”っていう粒度のことと、“作品を作るためにコミュニケーションしたい”ってことの粒度は、粗さが全然違うんです。

 

もともと作品作りたくてコミュニケーションしたい、くらいはありました。でもいろんな障がいがある人……というか、目の前のこの人との最適なコミュニケーションを一緒に考えるところから始めるっていうことが一番大事だとしたら?

語学を習得するみたいなことを目的にするのはちょっとズレているのかなぁ、と。

 

エリコ:そうか。目の前の人と最適なコミュニケーションを取るという意味だったら、外国人だろうが障がい者の方だろうが、語学は関係ないよね。

 

栞:そうそう。でも英語できたら楽しいな、って思うので行けたらいいな、とは思っています。そういう風にまた運もめぐってくる気がするんですけど、そこに固執はしていないかな。

 

エリコ:でもちょっとくらい、「惜しい」って思わなかった?

 

栞:「惜しいな」はありましたよ。まあでも「しゃあない」ってなってます。生きてるし。

 

エリコ:「生きてる」ってのは最低限のことのように思えるけど、そこはどう? やっぱりさ、楽しさとか、自分のやりたいことがどれくらいやれてるかってのは大事じゃない?

 

栞:自分がやりたいことは、自分がやりたいと思えばやりますよね。だから自分の中ではそんなにハードルが高くないんです。

 

エリコ:やりたいことはやるし?

 

栞:うん。生きてけなくても自分のやりたいことは多分やると思う。

 

エリコ:かっこいいな!

 

栞:でも今はやりたいことをやって、そのうえで生きていけてるから、楽だなって思う。そういう点はすごく楽になれました。コロナによって。

 

エリコ:その視点で考えると、コロナで楽になったっていうのは、私自身の中にもあるな。

 

栞:そういう人、多い気がします。

 

エリコ:もちろん経済や雇用は大変なんだけど、それ以外のこと、自分の気持ちに素直になるっていう方向に変化してきているというか。

 

栞:まあでも、やりたいことをやるかどうかって、決めの問題じゃないですか。

 

エリコ:栞さんはそこは何か、すごく自分と対話ができてる感じだね。

 

栞:うん。約束しました。そこは自分と。

 

エリコ:そうか! そうするといろんなことがブレなくなるよね。

 

栞:楽になってきましたね。ぜんぜん稼げてはないけど(笑)

 

エリコ:それはまた別の話でいいんじゃない? やりたいことを、これやる、あれやる、と掴んでいくことが、いまの栞さんにはとても大切なことだと思う。

だからこそ“面白いこと”を引き寄せているという感じもあるよ。

 

栞:別に有名になりたいとかも全くないので。

 

エリコ:なんだろう? じゃあ、篠田栞らしく、みたいな?

 

栞:自分らしさもそんなに意識していなくて。やりたいことをただやるっていう。有名になって何かを成し遂げてって器でもないし。

 

エリコ:有名になる・ならないは“器”というより栞さんの価値じゃないんだよ、きっと。

 

栞:そう。自分を納得させるのが一番難しいから。自分と向き合ってさえいられたら、最強かなって思う。

 

 

 

今年の春こそニューヨークに行くと話してくれた栞さん。今回はお仕事のこと中心の話になりましたが、もちろんパフォーマーとしての彼女も相変わらず活躍中で安心しました!

 

印象的だったのは、「やりたいことは、自分がやりたいと思えば、やる」というところ。

 

これは実はすごく難しくて、自分が本当にどうしたいか、ちゃんと自分と対話できていないと言えないことだと思います。

 

そうした意味で、彼女は「強くなった」というより、また一つ、厚い年輪を刻んだな、という感じでした。

 

これからも栞さんの考え方や活動について、ポイントポイントで聞いてみたいと思ったひと時でした。 また一緒に飲める日が来るのを楽しみにしています!

TKGに相談だ!

ハシヤスメ

日常の中で気になったこと、
気づいたことアレコレ

注目のタグ

TKG PRESSロゴマーク

  • TKGとは...

  • TKGは“T=大平印刷、K=企画女子の、G=五感”の略。大平印刷企画課の女子が、見る、聴く、触れる、味わう、嗅ぐといった五感のアンテナをのばし、ココロに触れたモノ、コト、シゴトをカテゴリーごとにフォーカス。
    気になる話題を担当者独自の感性で切り取ります。
    たまごかけごはんちゃうで。

TKG Member Profile

  • エリコ

    エリコ

    “遊ぶようにシゴトする” がテーマです。どんな垣根もひょいと超えて、アンテナを伸ばし続けます。キティ好き。

    >記事一覧

  • ミリ

    ミリ

    人生100年時代に向け、現在は体力作りに興味あり。家族と子供の成長に合わせた働き方を模索中のアラフォーです。

    >記事一覧

  • 板さん

    板さん

    娘が中学生になり、急に増えた自分の時間の使い道を思案中。衣食住や学びの充実とお金・老後のバランスに悩みます~。

    >記事一覧

  • まいまい

    まいまい

    「山があるって安心だなぁ~」と、毎朝、山を見て和める京都人。知らない猫さんに話しかる癖があります。

    >記事一覧

  • しろみ

    しろみ

    見習いを卒業して、晴れてプランナーになりました!興味のあることに、あっちこっち首を突っ込みます。

    >記事一覧

  • マーサ

    マーサ

    TKGのOG。20年以上住んだ東京から名古屋へ。心のすまいはもちろん京都。〇〇家を目指し奮闘中!
    www.mahsa.jp

    >記事一覧

TKG PRESSへのご意見・ご感想をお待ちしています。
tkg@taihei.co.jp

お問い合わせ