4月16日の緊急事態宣言後から現在に至るまで、これをお読みの皆さまと同様に私も生活スタイルが激変し、今、ニューノーマルと言われる生活になんとか順応しようとしている。全てにおいて衛生面を最優先とする人との接し方は、移動、買い物、家族との過ごし方など大きく変わった。

私の場合、とくに買い物の仕方が激変。食料品は主に宅配、日用品・消耗品はネットで、そして化粧品とアパレルは全くと言っていいほど購入しなくなった。

春の気配で例年ならカラフルなアイテムを欲する頃に、百貨店やショッピングモールが休業となったために買い物に出かける回数は激減。営業再開後も、「陳列している洋服を触っても大丈夫なのだろうか」や、「試着室は消毒してあるのだろうか」など考えはじめるとショッピングがワクワク楽しいどころか不安となり、購入意欲は低下した。

さらに、お店までの電車移動も憂鬱。だったらＷｅｂで購入！とも考えたが、洋服は着てみないとわからないこともあり…。そこでふと、誰か、私の服を作ってくれる人はいないだろうかと真剣に考えた。
そんななか、以前LINEのやり取りだけで娘のワンピースを注文、見事なまでのぴったりの洋服が届いたことを思い出し、だんだん気持ちが「店頭で選ぶ」よりも、「オーダーする」方に傾いた。そして、運命的に、ちょうど元同僚が、ファッションデザイナーとしてそれを生業にしているということを知り、言葉を交わしたことがほぼ無かったのだがインスタでコンタクト。そして、彼女にオーダーすることとなった。

私が、今回求めたアイテムは週末用の小洒落たシャツ。小さい子供相手に週末はジーンズにロンＴが定番の私だが、子供がいても週末に華を添えるアイテムが着たい！その希望を伝えると、手際よく採寸がはじまり、多様な生地を提案してもらう中で、作るという工程にこれまでにない楽しさを感じた。

翌日には早速デッサンが到着し、そのセンスの良さにうっとり。

ロンドンとパリに在住していたという彼女のセンスの良さは、どこかヨーロッパを感じさせ、これまで自分が選ぶことがなかったデザインに新鮮さを覚えた。

非接触を考慮したSNS中心のやり取りが続き、順調に仮縫い、採寸からわずか2週間で想像以上の服が完成したとき、その出来栄えに感動するとともに、改めて買い物の新しいスタイルを実感した。

■仕上がりの服とデザイナーのACCOさん

私の場合、コロナ禍でなければ洋服を作るという贅沢な選択には至っていなかったかもしれないが、
これまで知らなかった新たな世界を、消費のスタイルを知ることができたことは大きな収穫だ。

コロナをきっかけに、衣食住をはじめとする生活、消費のスタイルが、大きく変わった。
時には戸惑いながらも、この変化を受け留め、自分に最適な選択をして、これからの時代をスマートに生きていきたいと思っている。

取材協力：Fashion Atelier ACCO　デザイナー田村あつこさん

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atelieracco.com

（ミリ）