高度な技術で実現!多様な用紙への特色多色印刷

 

前回に続き特色インキの調合とその印刷についてご紹介いたします。

 

「感、コツ、経験」で作り上げた特色インキを使って、実際に印刷する工程のお話です。

和紙系の用紙やアルミ蒸着紙(ピカピカ用紙)にガツン!とインパクトのある印刷を行う時にとても有効です。

 

■ラベルにアルミ蒸着紙を使った「上撰 松竹梅 祝彩 純金箔入」と、和紙系の用紙を使った全量芋焼酎「一刻者」シリーズ

 

 

特色インキを使って上手に印刷するためには次の項目をしっかり抑えることが大切です。

 

1.版設計

(1) 印刷機に掛ける版の順番

(2) 太らし加工

(3) アンカー白インキ

(4) ダブル(2回)又はトリプル(3回)の重ね印刷

2.インキの硬さ調整

3.インキ濃度の調整

 

それでは一つずつ説明していきましょう。

 

1.版設計

 

(1)印刷機に掛ける版の順番

印刷は、印刷機の構造上、先に刷ったインキの上に後刷りインキを乗せて行います。例えば4色のカラー印刷の場合には、黒の上に青が乗り、黒・青の上に赤が乗るという印刷順になります。

 

ここで何が云いたいかというと、先に刷ったインキの色に、後で刷るインキの色合いが影響されるということです。

調肉の段階では指定色通りに練り上げても、先刷りインキに影響されて全く違う色になってしまうこともあるので、最初の版設計がとても大切になります。

 

 

(2)太らし加工

印刷見当(※)をしっかり合わせるためには、印刷機で発生する用紙に対するストレス(印刷圧力や湿し水による用紙の伸び)を予め予測し対処しておきます。

紙目などにも影響を受けるので、どの方向にどの程度の伸縮が発生するかを予測し、見当ムラが発生しそうな部分の絵柄や文字をわずかに太らせ周囲の絵柄に被せる手当しておきます。

 

※印刷見当についてはは過去のコラムでもご紹介しています。

▼「印刷見当を合わせる技術」とは?

https://www.taihei.co.jp/column/printing003

 

(3)アンカー白インキ

ゴールド又はシルバーのアルミ蒸着紙は、強烈なメタリック調や輝度を再現できます。

この原理は、キラキラした紙面がインキを透過するために得られるのですが、逆に強調したい絵柄や明示したい文字まで透過してしまうと、インパクトのない絵柄、または読みづらい文字になってしまいます。

 

そのため、強調したい部分のみ不透過性の白インキを下地として印刷しておきます。

 

 

(4)ダブル・トリプル重ね印刷

最も強調したい絵柄や文字は同一の版をダブル・トリプルで重ねて印刷することもできます。そうすることで周りよりも明らかに濃くインパクトのある表現ができます。

 

技術的には単純に重ねるだけでなく、見当精度やインキの盛り加減などを計算に入れて印刷する必要があります。

 

 

2.インキの硬さの微調整

和紙系やファンシー系の用紙の中には、紙面強度が極端に弱いものが存在します。このような用紙に通常の硬さのインキで印刷してしまうと、強い印刷圧力とインキの粘りで、わずかですが用紙表面を剥がしてしまうことがあります。当然仕上がりが不自然になってしまうので、用紙の表面強度に応じてインキの硬さを微調整します。

 

3.インキ濃さの調整

原稿を見本に印刷をはじめる前に、どの程度の濃さが必要なのかを見極めます。

この判断には経験と勘が必要で、印刷機のローラー上に保有できるインキ量を把握しながらインキの濃淡を調整します。

 

以上、特色インキでの印刷は通常のプロセスカラー印刷にはない版設計やインキの微調整といった高度な技術が必要であるとご理解いただけたかと思います。

 

私たちは、酒ラベルで長年培ってきた特色の多色印刷技術により、多種多様な用紙に対して、通常のオフセット印刷では表現できないような色彩の表現を実現します。

 

特色の再現、多色の見当、特殊な紙への印刷などでお困りの場合は、ぜひ私たちの技術をお試しください。