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メタバースのビジネス活用のメリットとは?事例を交えて紹介

2023年7月11日

近年メタバースが注目されています。
2021年10月にFacebookが社名をMetaに変更したことでメタバースは一気に知名度が上がり、事業に参入する企業も増えてきています。
「メタバースとはどのようなものか」「ビジネスにどのように活用できるのか」といった具体的なことを知りたい方も多いのではないでしょうか。
本記事では、メタバースの概要を踏まえたうえで、ビジネスで注目される理由やメリット、注意点を活用事例や課題を交えて紹介します。

メタバースとは

メタバースの語源は超越したという意味合いの「メタ(meta)」と宇宙を意味する「ユニバース(universe)」の二つを組み合わせた造語です。
インターネット上にコンピューターグラフィック(CG)で構築される三次元の仮想世界や仮想空間、またはそれらのサービスを指し、1992年に発行されたニール・スティーブンソンのSF小説「スノウ・クラッシュ」の世界から名づけられたといわれています。
利用者は「アバター」と呼ばれる自分の分身を介してこのインターネット上の仮想世界に入り、誰かと遊んだり集まったり、買い物をしたりするといった現実世界に近い状態で活動できます。

多くの場合、利用者同士が社会交流できる場所となっています。
当初はゲームやイベントでの利用が中心でしたが、新型コロナウイルス感染予防対策として始まった「新しい生活様式」によって、ビジネスシーンでもより活用されるようになってきました。
VR(仮想現実)と混同されがちですがメタバースは「仮想空間そのもの」を、VRは「仮想空間を体験するための技術」を指します。
メタバースとVRは空間と技術を意味していますが、必ずしもメタバースの世界観を実現するためにVRが使用されているとはかぎりません。
ビジネス向けのメタバースにはVRを用いないケースが多くあります。
その場合、VRゴーグルは不要で手持ちのスマートフォンやパソコンといったマルチデバイスからアクセスできます。

※メタバースとVRの違いについては、メタバースとVRの違いは? それぞれの特徴と活用事例を紹介をご覧ください。

メタバースがビジネスで注目されている理由

メタバースがビジネスで注目されている理由は何でしょうか。

市場規模の拡大が期待される

世界的にメタバース事業に乗り出す企業が増えてきました。
この流れの原動力となったのは旧Facebookのメタバース注力の動きでしょう。
2021年末に旧FacebookがMetaへ社名変更するとともにメタバースに多額の投資をすることを発表しました。
これを機に今後のメタバース市場拡大を期す企業が増加してきています。
総務省の「令和4年版 情報通信白書」によると、メタバースの世界市場は上昇傾向にあり、技術の進展とサービス開発によって、2021年に4兆2640億円だったものが2030年には78兆8705億円まで拡大すると予想されています。
その活用はメディアやエンターテインメントだけではなく、教育や小売りなど幅広い領域で期待されています。

関連技術の発達

現実世界と仮想世界を融合し新しい体験を作り出す技術の総称、XR(クロスリアリティ)技術が向上しています。
XRに含まれる技術には代表的なものとしてVRがありますが、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)など多岐にわたります。
並行してデバイスや通信環境の進化があります。デバイスのディスプレイの高解像度化や処理能力の向上やインターネット回線の高速化、5Gスペックのスマホの登場などメタバースにアクセスしやすい環境になってきたことが大きいでしょう。

コロナ禍によるリモート定着

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い非対面・非接触での対応が求められるなか、XRを活用したリモートでの業務遂行やイベント開催の需要が高まったことも、メタバースのビジネスにおける注目が高まった要因です。
コロナ禍によって導入されたリモートが定着したことで、デジタルコミュニケーションへの抵抗感が少なくなってきました。
メタバースも主にオンラインゲームで一部の層が楽しんでいるものという認識から、買い物やイベント・ライブへと派生しビジネス分野での活用も進んでいます。メタバースの活用の幅が広がり、利用者が一般層へと拡大しつつあることで企業からより注目されているといえるでしょう。

メタバースをビジネスで活用するメリット・デメリット

ではメタバースをビジネスシーンで利用するメリットとデメリットにはどのようなことがあるでしょうか。

メリット

■デジタルコミュニケーションが円滑に
先に述べたように、コロナ禍によるリモートの定着でデジタルコミュニケーションへの抵抗がなくなりつつあるものの、ツールによっては対話が一方的になりがちな懸念もありました。 メタバースではVR技術の向上により身振り手振りを交えることができるので、限りなくリアルな世界での対面に近いコミュニケーションをとりやすくなります。 またアバターを介した交流であるため、顔の見えないことによる心理的な安心感もあります。たとえば、関係性によっては固くなりがちなWEB会議や初対面の方との対話を円滑に進めやすくなるなど、コミュニケーションの活性化が期待できます。

■新たな顧客層を獲得
メタバースを活用して商品やサービスのバーチャルな展示販売を行うことで、今まで接点のなかった層や遠方地域の人々に対してもアプローチでき、新しい顧客の獲得が見込めるといわれています。メタバースは新しい技術ということもあり、利用者の注目も集まる可能性があります。

■コスト削減に寄与
メタバースを活用すれば、店舗を維持したり、イベント会場を用意したりするコストの削減が見込めます。賃料や施設利用料、光熱費や社員の交通費などの削減につながるでしょう。

■幅広い人材確保と企業イメージ向上
メタバースをビジネスに導入することでオフィス近くに住む必要がなく、遠方からも優秀な人材の採用が可能になってきます。またハンディキャップを抱えた方も活躍しやすくなり、ビジネスモデルが広がっていくでしょう。メタバースを活用している企業はまだ少ないため、企業のブランド化にもつながるかもしれません。

デメリット

■初期費用や運用に高コスト
店舗運営などの固定費は抑えられるものの、メタバースをビジネスで活用するには費用がかかってきます。
サービスを導入するための初期費用に加えて、運用コストも必要です。また、既存のサービスではなく自社でプラットフォームを構築する場合には、多額の開発費用がかかるでしょう。

■通信環境や機器の整備や操作慣れが必要
通信環境が良くない、もしくはパソコンの画像処理の性能(GPU)が低いと電源が落ちる場合もありストレスになります。
一般的なパソコンのスペックではメタバースの画像処理に必要なGPUが不足している場合が多く、高スペックなパソコンが必要になることもあります。
また、メタバースの初期設定や操作にはある程度の知識を要します。
慣れるまでの時間や機器を扱えるようになるための「学習コスト」も必要です。
VR技術を使うメタバースでは、人によって最初は乗り物酔いのような「VR酔い」の症状が出て体調不良になることもあるため注意が必要です。

メタバースのビジネスへの活用例

メタバースが実際にビジネスでどのように活用されているかを用途別に紹介します。

メタバース空間上に新たなサービス提供の場を構築

仮想空間上に3Dの世界を構築することで、現実では手間がかかる、もしくは実現困難な体験を提供できます。
たとえば、バンダイナムコが取り組む「ガンダムメタバース」もその一つです。同社はその第1弾となる「ガンプラコロニー」のオープンを進めています。
ガンプラコロニーはガンダムのプラモデルファン同士の交流を促すコミュニティーという位置づけで自動翻訳機能を備え、テキストチャットで海外のユーザーやAIキャラクターと気軽に話せるものです。
基本的にパソコンからのアクセスを想定していますが、スマホでも簡易的なコミュニケーションなどが行えるよう計画しているといいます。

バーチャルショッピング

3Dで立体的にイメージを確認できるため、オンライン上で実店舗のような買い物体験ができることが特徴です。
店舗スタッフや同行者と会話しながら買い物を楽しめます。
三越伊勢丹は仮想新宿を舞台とした独自のメタバース上に「REV WORLDS(レブ ワールズ)」を構築し、スマホ用の専用アプリから提供しています。
利用者はさまざまなショップが出店する「仮想伊勢丹新宿店」で買い物体験ができます。
そして各種オンラインストアに会員登録・ログインすることでそのままオンラインストアで購入できます。
また2018年から定期的に開催されている世界最大規模のバーチャル展示会「バーチャルマーケット」も定着してきました。
アバターなどの3Dデータ商品や洋服、PC、飲食物といったリアル世界の商品を売り買いできる世界最大のVRイベントです。
世界中から100万人以上が来場し、ギネス世界記録もマークしました。
空間内の特設会場には3Dアバターや3Dモデルが展示され、来場者は自由に試着・購入できます。スペックを満たしたパソコン(CPU:intel Core i5 8700〜、メモリ:16GB以上)があれば誰でも無料で参加可能なため、来場者が増加しています。

メタバースによる教育・研修

メタバースは教育分野においても、オープンキャンパスやディスカッションといったさまざまな用途で活用されています。
時間や場所の制約を受けないうえに、アバターを介して現実世界では実現できないことも含めた「体験」から学べることが注目を集める原因の一つでしょう。
英会話学校を運営するイーオンはメタバースを活用した英語のプラットフォーム「immerse」を運営しています。
Meta社のMeta Quest2に対応しており、メタバースを使って世界中で生きた英語に触れることができます。
教室内だけでなくホテルや空港といった場所でのシチュエーションを通して実生活に通じる英会話を身につけられます。
またリモートワーク定着のなかで、社内での人材育成や各種研修をメタバースで行う企業も増えてきました。
全国展開する企業は仮想空間で一堂に会することで均一な研修ができるうえ、時間や経費の面でもメリットが多いでしょう。

活用がより期待される分野

メタバースはWebページや動画と比べ伝えられる情報量が多いため、VRのショールームやミュージアム、展示会といったバーチャル空間でのプロモーション活用が幅広い業種で期待されています。
日産自動車はメタバースで人気車種の下見や商談ができるショールームを設ける実証実験を行いました。
利用者はスマホやパソコンからアバターを操作して車内外を見ることができ、時間帯によってスタッフから車の説明を聞いたり、商談を受けたりできました。
ショールームが近くになく、気軽に店舗に立ち寄れない人たちに対しブランドの浸透や実店舗への新規来訪を促すことを目的としており、本格的な導入の可能性もあると見られます。
またVR技術を用いてオンライン上でさまざまな場所の体験ができるサービス「バーチャルツアー」はミュージアムや旅行代理店、不動産会社などが実施しています。
たとえば、東京都台東区の国立科学博物館は3Dビュー+VR映像で展示品を公開しています。
VR技術を活用することで、メタバースをより効果的に活用しやすくなります。
VR技術を使い、バーチャル空間で展示会を再現したオンラインイベント「バーチャル展示会」も同様です。
日本最大級のコンピューターゲームの総合展示会、東京ゲームショウはコロナ禍を機にバーチャル会場が設けられています。
商品のPRや企業の信頼性・ロイヤリティを高めるために行う「オンライン工場見学」もメタバース活用が期待される分野の一つです。
駄菓子「ビッグカツ」などを製造販売する食品メーカーの株式会社すぐる(本社:広島県呉市)は期間限定でビッグカツの製造工場をメタバース上で体験できる「バーチャルビッグカツ工場」を公開していました。

メタバースのビジネスにおける課題

将来性の高いメタバースですが進化に向け、大きく分けて2つの課題があります。

技術・経済的な課題

高い没入感を味わえるヘッドマウントディスプレイ(HMD)などのVR機器の性能はまだ発展の途上です。
軽量・小型化が進んでいるとはいえ、長時間装着には負担がかかる状態でまだ価格も手頃とは言いづらい状態です。
しかしこの数年の進歩は目覚ましく、Facebookから社名変更したMetaの販売するMeta Quest 2をはじめ、各社技術向上とともにコスト削減を進めており、メタバース普及のポイントの一つとなりそうです。
ハードウェア・ソフトウェアの標準化も課題でしょう。
メタバース関連のデバイスやサービスの仕様がバラバラであるとそれぞれ操作方法が異なるとともに、アバターなどのデジタルアセット(デジタル方式の資産・財産)も他社の運営するメタバースに持ち込めないといった問題が生じてきます。
現状は提供する企業ごとに仕様が異なっていますが、アバターではVRMというプラットフォームに依存しない規格が存在するなど、関連企業や団体が足並みをそろえようとする動きを見せ始めています。

社会・政治的な課題

有力なメタバース上のサービスやコンテンツはVRゲームが大部分です。
普及にはスマホにおけるLINEのようなコミュニケーション領域でのヒットコンテンツの登場が望まれています。
なかでもアバターを介したコミュニケーションの定着がポイントとなるでしょう。
2Dまたは3Dのキャラクターを使った配信を行うバーチャルユーチューバー(VTuber、ブイチューバー)の登場や、iPhoneに自分のオリジナルアバターで表情を送れる機能が搭載されるなどアバター定着の土台は徐々に整い始めています。
そして普及における最重要課題はメタバース普及に伴う法整備という声も多くあるようです。

急速な進化を遂げるメタバースのような仮想空間でのビジネスに、日本の法整備が追い付いていないといわれています。
メタバース上の反道徳的・反社会的行為に対する法制度の充実とともに、サービス提供側自体もそれらの対策を検討する必要があるでしょう。
政府は総務省情報通信政策研究所長の研究会として「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」を立ち上げていいます。
メタバースなど仮想空間の利活用に関して、情報通信行政に係る課題を整理することを目的としており、法整備に向けて情報をまとめているといえるかもしれません。

※詳しくはメタバースは失敗する? 現状と将来性を活用法とともに紹介をご覧ください。

メタバース活用で広がるビジネスの可能性

近年、世界的にメタバース事業に参入する企業が増えてきています。
さまざまな分野や用途に利用できる汎用性の高いソリューションです。
しかし一方で、活用方法、運用方法などさまざまな視点を持って取り組む必要もあり、自社だけ取り組むのは難しいと感じる企業も少なくないでしょう。

大平印刷は専門スタッフがデジタルプロモーションをトータルでサポートしています。
ドローンを活用した映像や360度撮影によるVRコンテンツ、ショートムービーなど用途に応じた動画制作の対応も可能です。
外部の専門企業のサポートを含め、ビジネスにおけるメタバースの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

大平印刷のメタバース・VRサービス
https://www.taihei.co.jp/service /xr_vr/

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